はじめに:質問の仕方ひとつで情報量が変わる
「先輩、内見のときって、営業さんに何を聞いたらいいんですか?」
最近、職場の後輩にこう聞かれました。彼もそろそろマンション購入を検討しているようで、不動産会社とのやり取りに不安を感じている様子。かつての自分を思い出しながら、私はこう答えました。
「質問の仕方ひとつで、得られる情報は全然変わるよ」と。
マンション選びで欠かせないのが「内見」。そしてその場にいる不動産営業マンとのやり取りが、物件の情報を左右します。何を聞くか、どう聞くかで得られる“本音の情報”は大きく変わるのです。この記事では、40代の目線で「営業マンの本音を自然に引き出す質問」を紹介していきます。
1. 初対面で聞き出す“物件の背景”
この物件、なぜ売りに出されたのですか?
これは、物件に対する“背景情報”を得る最初の一歩。離婚や転勤、相続など事情はさまざまですが、この質問で売主の事情が見えてくることもあります。「早く売りたい理由」があるなら、価格交渉の余地も見えてきます。
過去に内見者はどれくらい来ましたか?
売れ行きや市場での印象を探る質問です。内見件数が少なければ、何かしらのマイナスポイントがあるかもしれません。逆に多いのに売れていないなら「決め手に欠ける」可能性もあります。
2. 管理や修繕の実態を探る質問
修繕積立金、今後上がる予定はありますか?
築年数が経つと、修繕積立金の増額は避けられません。「予定は未定」という答えでも、“その空気感”で建物の状態や管理組合の動きを推測できます。
管理組合の運営、ちゃんと機能していますか?
この質問で、管理会社や理事会の運営状況、住民の意識レベルが見えてきます。実際、組合が機能していないマンションは、共用部の劣化やトラブルの温床になりやすいです。
3. 営業マンの“温度感”を測る切り口
正直、この物件…売れ行きはどうですか?
あえて“ざっくりとした質問”を投げることで、営業マンの表情や返答のトーンに注目します。「悪くはないですよ」程度の回答なら、そこまで強く推していない可能性もあります。
ご自身だったら、この物件買いますか?
最も“本音”が出る質問のひとつです。もちろん、営業トークで「買います!」と即答されることもありますが、ちょっと考えるような素振りがあれば、それもまたヒントになります。
4. あえて沈黙をつくる“間”の技術
営業マンとのやり取りで意識したいのが“沈黙”。質問したあと、すぐに次の話題に移らず、あえて黙ってみる。人は空白を埋めようとして、思わぬ本音が出ることもあります。
5. 情報を得たら“軽くメモ”で信頼感UP
会話中にさっとメモを取るのも効果的。「ちゃんと聞いてくれる人だ」と営業マン側の信頼感が増し、より丁寧に情報を伝えてくれるようになります。
おわりに:本音を引き出すのは“聞く姿勢”から
営業マンから本音を引き出すには、“攻める質問”よりも、“信頼される聞き方”が大切です。上手に問いかけ、うなずき、メモを取る。この一連の姿勢が、結果として本当の情報を呼び寄せるカギとなります。ぜひ内見時の参考にしてみてください。
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